株式会社早稲田アカデミー(以下、早稲田アカデミー)は、首都圏を中心に進学塾を運営する会社で、特に中学・高校受験での難関校合格実績に定評があります。
安定した財務基盤を持ち、長期的に安定した成長を続け、首都圏での私立受験人気が今後の成長に繋がると考えられます。
私立学校の受験人気
日本では少子化が進んでいますが、しばらくは私立学校受験は人気が続くと予想されます。首都圏で受験指導を行う早稲田アカデミーの業績は、その影響を受けて成長を続けると考えています。
よくニュースでは公立学校の教師の残業時間や部活動による拘束時間が問題視されていますが、これらの影響で教師を志望する人が減少しているとされています。これにより、将来的に公立高校の教師の質が低下する可能性があり、こうした懸念を抱く親たちは、子どもを私立高校に通わせたいと考えるかもしれません。
さらに、東京都では少子化対策として高校授業料の実質無償化を始めており、私立人気が加速する可能性があります。
また、晩婚化に伴う子育て世帯の子供人数の減少や、低所得世帯の子供の割合の減少により子ども一人当たりにかける教育費のが増加しています。これも私立人気に拍車を掛けると考えられます。特に首都圏では、他の地域に比べてパワーカップルが多く、教育に掛けられる金額が増加していると考えられます。
早稲田アカデミーも塾生数は増加しており、特に難関私立受験を志望する小学生に顕著に見られます。
長期視点での成長と安定した財務基盤
売上は14期連続増収を見込んでおり、経常利益も長期的には増加傾向にあります。今期は過去最高益を更新する見込みです。成長率は著しく大きいわけではありませんが、ここ3年で売上高は毎年約5~8%、経常利益は毎年1.7~32%の成長を記録しています。ROEは15.7%で収益性が高いです。EPSはここ10年で約2.7倍に増加しており、長期的に安定した成長を続けています。
自己資本比率は62%で、流動比率も186%と高水準を維持しており、安定した財務基盤を有しています。また、現金も潤沢に保有しており、総資産の34%を占めています。
配当+株主優待利回りが高配当
2024年12月22日現在の株価1,856円において、3年以上保有した場合、配当金に加えて株主優待も含めると約8.8%の高利回りとなります。(2025年の記念配当10円は、一時的なものと考え、計算からは省略しています)
配当金 | 株主優待 | 合計 | |
3年未満保有 | 4,500円* (利回り2.4%) | ・QUOカード:1,000円相当 ・株主優待券:5,000円相当 (利回り3.2%) | 10,500円相当 (利回り5.6%) |
3年以上保有 | 4,500円* (利回り2.4%) | ・QUOカード:2,000円相当 ・株主優待券:10,000円相当 (利回り6.4%) | 16,500円相当 (利回り8.8%) |
まとめ
- 首都圏での私立受験人気を追い風に、今後も成長が期待できると考えられます。
- 安定した成長に加えて、配当と株主優待を含めた利回りも高く、魅力的な銘柄です。