楽待株式会社(6037) 高収益・高成長・高財務健全性 3拍子揃った銘柄

企業分析

楽待株式会社(以下、楽待)は、投資用不動産に特化した国内最大の不動産投資ポータルサイト「楽待」を運営する会社です。

不動産サイトといえば、SUUMOやat homeなどが思い浮かびますが、これらは主に住宅用で、購入は一度きりが基本です。一方で、投資用不動産ではユーザーが繰り返し物件を購入するため、リピート需要による安定した集客性が特徴です。

また、従来の不動産取引では、投資家が良い物件に巡り会うためにはコネや情報網が必要で、不動産会社側も非公開物件の買い手を探すのに苦労していました。しかし「楽待」を利用することで、買い手と売り手の双方に大きなメリットが生まれています。

さらに、不動産投資に必要な基礎知識や最新情報も充実しており、YouTubeチャンネル(チャンネル登録者数100万人突破)も人気です。このため、不動産投資を始めたい個人投資家にとって非常に便利なサイトとなっています。

楽待は、高収益、高成長、高財務健全性の3拍子揃った銘柄であり、今回はその詳細を見ていきたいと思います。

高収益性

  • 営業利益率は45%、純利益率は約34%近く、収益力が極めて高いビジネスモデルを有しています。
  • ROE(自己資本利益率)も約15%と、東証が推奨する8%を大きく上回っています。

高成長

  • 売上高と当期純利益はともに右肩上がりで、過去5年で約1.4倍に成長しています。
  • 収益に直結する物件掲載サービス利用加盟店数や、利用している会員数も長期で伸びています。
  • 営業費用の約23%を広告宣伝費に充て、YouTubeチャンネル登録者数は100万人を突破しました。今後、広告宣伝費がどれだけ収益に結びつくかが成長を占うカギとなりそうです。
  • 不動産所得の申告者数や宅地建物取引業者数と比較する、それぞれ約8倍と約24倍の成長余地があります。
  • 国内の不動産価格は上昇しており、個人の不動産投資家も増えていることから、引き続きこのトレンドが続いていけば、さらなる成長を期待できます。

高財務健全性

  • 自己資本比率は約92%と非常に高く、無借金経営で高い財務安定性を維持しています。
  • 営業キャッシュフローが潤沢で、投資キャッシュフローと財務キャッシュフローを上回り、現金が積み上がっています。
  • 2024年度は、これまで資産の約88%近くを占めていた現金の大部分を投資有価証券(主に社債)に充てましたが、ビジネス拡大に繋がる良い投資先が見つからなかったのか気になるところです。

まとめ

  • 高収益、高成長、高財務安定性の3拍子揃った優れた銘柄です。
  • 今後も広告宣伝費を着実に収益に結びつけられるかが成長のポイント。
  • 余剰資金をどう活用し、ビジネスを拡大していくかが気になる所。
  • 国内の不動産価格は上昇しており、個人の不動産投資家も増えていることから、引き続きこのトレンドが続いていけば、さらなる成長を期待できます。

出典:楽待株式会社 2024年7月期 有価証券報告書
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6037/yuho_pdf/S100UKU6/00.pdf